こんにちは、DTひらさんです。
オーディオインターフェイスはDTMで必須のアイテムです。
上図のように、オーディオインターフェイスは録音時にオーディオとPC同士、再生時にスピーカーとPC同士を橋渡しする役目をします。オーディオインターフェイスのおかげで音をより高音質で素早く届けることができます。
しかし、オーディオインターフェイスにも様々な種類があります。
今回はそんなオーディオインターフェイスの選び方とオススメ機種を解説します。
目次
4つの選ぶポイント
入力端子
ギターやマイクなどオーディオで録音するための入力端子の種類は複数あります。買った後に、接続できない!なんてことにならないように、自分が必要な端子を確認しましょう。
端子は主に3種類あります。
1.標準ジャック(標準フォーン端子、TSフォン)
エレキギターやベースなどの電子楽器を接続する端子です。よくあるイヤホンを挿す細い端子ではなく、それよりも太い端子です。
2.キャノン端子(XLR端子)
マイクを接続する端子です。筒状のジャックの中に3つの端子があるのが特徴です。
3.コンボ端子
標準ジャックとキャノン端子の両方が接続できる端子です。標準ジャックもキャノン端子も使う可能性のある方は、コンボ端子搭載のオーディオインターフェイスがオススメです。
エレキギターやエレキベースを使用するなら…
Hi-Z入力(ハイインピーダンス)に対応したオーディオインターフェイスを選びましょう。
エレキギターやベースは他のオーディオ機器と電気的な特性が異なるため、正常に音を入力できません。そこで、Hi-Z対応の入力端子がこの問題を解決し、エレキギターやベースをオーディオインターフェースに直接接続ができるのです。
マイクを使うなら…
マイクの1種であるコンデンサマイクという高価で高感度のマイクを使う場合には、ファンタム電源が供給できる機種を選びましょう。ファンタム電源は+48Vの電気を供給することができ、高感度のコンデンサマイクでも正常に音を認識できるのです。
最初は高いから買わない、という人も後々は必要になったりします。ボーカルやアコースティック楽器を録音する予定がある人はファンタム電源搭載の機種を選びましょう。
※また、バンドでのレコーディングなど、一度に複数のオーディオを録音をする可能性がある人は、そのオーディオ数分の入力端子が付いている機種を選びましょう。
入力端子のチェックポイント
- エレキギター・ベースとマイク両方使う場合:コンボ端子推奨
- エレキギター・ベースを使う場合:Hi-Z入力がある機種
- マイクを使う場合:ファンタム電源搭載の機種
- 入力端子数:一度に録音するオーディオの数
オーディオ性能(音質)
オーディオインターフェースがどれだけの音質で音を送信できるかを決める重要な項目です。
音質を決めるスペックには、サンプリングレートと量子化ビット数(ビット深度)の2つがあります。両方の値が高いほど、音を忠実に再現できます。下の記事に2つの詳細な説明を書きました。
ここでは簡単にオススメのスペックを書きます。
サンプリングレートの値は、趣味でDTMをやる方や、初心者の方は48kHz対応の音質で十分かと思います。しかし、値が大きい方がさらに高音質となるので、余裕があるなら96kHzや192kHzにしても良いでしょう。
量子化ビット数には主に16bitと24bitがあります。値が大きい方が高音質になりますので、24bitを推奨します。(現在ほとんどのオーディオインターフェイスは24bitのようです。)
パソコンとの接続端子
パソコンとオーディオインターフェイスを繋ぐ端子が合っているかを確認しましょう。
端子にはUSB3.0、USB2.0、Thunderbolt、FIRE WIRE800などがあります。
端子によって転送速度が異なりますが、DTMにおける音の送信の場合は、USB2.0の速度で十分です。実際に多くのオーディオインターフェイスがUSB2.0接続です。
そのため、転送速度は気にせず、自分のパソコンが対応している端子を選びましょう。
付属ソフトウェア
オーディオインターフェイスには、DAWやエフェクトプラグインなどが付属する機種が多くあります。DAWとは、PC上で音楽制作をするソフトでDTMには必須のアイテムです。
市販されるDAWの方が、機能やエフェクトが多いですが、オーディオインターフェイスに付属のDAWでも基本的な音楽制作が可能です。そのため、特にこれからDTMを始める人には、DAWが付属する機種を選ぶと良いでしょう。
オススメ機種4選
オススメ機種のスペックを表でまとめました。
4機種の共通点
- サンプリングレートが96kHz以上:高音質な録音が可能です。
- USBバスパワー(PC経由で電源供給)で稼働:コンセントが不要となり便利です。
- 出力端子:ヘッドホン用アウトと、モニタースピーカー用のステレオアウトの2端子
- ヘッドホンとスピーカーでそれぞれ独立して音量調整が可能:ボリュームが共通している機種よりも自由度が高く便利です。
- 注意点:ステレオアウトがフォーン端子(TRS)のみなので、モニタースピーカーもフォーン端子対応のものを用意する必要があります。
どの機種も低価格でありながら、音楽制作に十分な性能を持っており、初心者の方にオススメです。どれを選んでも無難に使っていけます。以下に各機種の詳しい性能を書いていきます。
Steinberg UR22mkII
録音音質 | モニター音質 | 安定性 |
◯ | ○or△ | ◎ |
☆こんな人にオススメ!:本格的に始めるのに十分なスペックと、不具合なく安定した機種を使っていきたい人。Cubaseを使いたい人。
世界的なシェアを誇るDAW Cubaseの開発メーカーであり、ヤマハのグループ会社であるSteinbergの製品です。初心者の入門として頻繁にオススメされるオーディオインターフェイスで最も売上が高いです。
入力端子にはコンボジャックが2つあり、宅録用なら十分な端子を持っています。(Hi-Z入力が片方のみの点に注意です。)
注意点として、ヘッドホンアウトで出力を上げすぎると音割れが起きるなどの評判があり、ヘッドホンでのモニターは、他機種よりも音質が劣る印象があります。
しかし、ドライバのアップデートが頻繁にあり、不具合が出やすいWindowsでも動作が安定しているメリットもあります。
また付属DAWのCubase AIは、Cubaseの入門用シリーズの中でもグレードが高めなため、お得感があります。この先にCubaseを使っていく人にはありがたいですね。
Focusrite Scarlett 2i2
録音音質 | モニター音質 | 安定性 |
◯ | ◯ | Mac ◯
Windows △ |
☆こんな人にオススメ!:大きな欠点がない機種が欲しい人。真紅のボディがかっこいいと思う人。Macユーザー。Ableton Liveを使いたい人。
マイクプリアンプ(録音時の音質を決める箇所)で多数の賞を受賞しているFocusriteのオーディオインターフェイスです。大御所アーティストのSam Smith、Foo Fighters、Massive AttackらがFocusriteの製品を愛用しているそうです。深紅のボディがかっこいいです。
2つのコンボジャック端子は、両方ともファンタム電源供給可能で、Hi-Z入力にも対応しています。そのため、コンデンサーマイクを二本立て、高音質でボーカルとアコースティック楽器を録音したり、バンドメンバーでエレキギターとベースを同時に録音したりと、幅広い使い方ができます。
MIDI端子が付いてないですが、最近のMIDIキーボードはUSBでPCに繋げるものが多いため、MIDIキーボードを使うならあまり問題ないでしょう。
DAWにはDJやクラブミュージックの制作者に愛用されているAbleton Liveのお試し版が付属しています。DJをやる人には特にオススメできるDAWですね。
某掲示板ではWIndowsにおいてドライバの不具合が報告されているため、Windowsユーザーの方は注意が必要かもしれません。
TASCAM US-2×2-SC
録音音質 | モニター音質 | 安定性 |
◎ | ◯or△ | ◯ |
☆こんな人にオススメ!:高音質でオーディオ録音がしたい人。Cubaseを使ってみたい人。
TASCUM US-2×2は音質を追求したモデルであり、高品位なマイクプリアンプを搭載しています。この価格帯で最高レベルの音質で録音ができるでしょう。一方で、ヘッドホン出力、ライン出力の音質は並み程度です。また、アルミのフレームにスチールのボディーはかなり頑丈です。
こちらの機種も2端子のコンボジャックが、ファンタム電源とHi-Z入力に対応しており、幅広い使い方ができます。
2018年からCubase LE付属モデルが出ており、Cubase AIより一つ下のグレードですが、お試し用としては十分使えます。
PreSonus AudioBox iTwo
録音音質 | モニター音質 | 安定性 |
◯ | ◎ | ◯ |
☆こんな人にオススメ!:本格的に始めるのに十分なスペックが欲しい人。高音質でモニターがしたい人。Studio One Artistが使いたい人。
Focusrite、TASCAMと同様に、こちらも2端子のコンボジャックが、ファンタム電源とHi-Z入力に対応しており、幅広い使い方ができます。
最も頻繁に使うであろうボリュームノブが大きく配置してあり、操作性が良いです。ボディーはサファイアカラーで綺麗です。
他機種より若干値段が高いですが、そのぶんヘッドフォン出力が他機種よりも高いため、ヘッドホン出力などのモニター時に高音質が期待できます。評判を見るとドライバも安定しているそうです。
付属DAW「Studio One Artist」は新鋭のDAWで、直感的な使いやすさと高音質で支持されています。数々のアーティストがこのDAWに乗り換えているようです。
【ぼくのバンド紹介】shabones(しゃぼんず)
敏感でもろいロックバンドです。是非聴いてください〜(^^)