こんにちは、DTひらさんです。
オーディオインターフェイスとPCをつなぐ接続端子には、USB3.0やUSB2.0、Thunderboltなどがあります。
端子によってデータの伝送スピードが異なっており、Thunderbolt > USB3.0 > USB2.0の順で速いです。実際にUSB3.0は、USB2.0の10倍もの転送レートです。
そのため、DTMにおいてレイテンシーを少しでも抑えようと、高い伝送スピードのThunderboltやUSB3.0でオーディオインターフェイスを繋ごうとする人も多いと思います。
しかし、音楽制作では基本的にUSB2.0を使った接続で十分です。
なぜなら、ThunderboltでもUSB3.0でも2.0でもレイテンシーが変わらないからです。
目次
レイテンシーが変わらない理由とは?
結論から言うと、USB2.0の転送レートでも、デジタル波形データを十分に転送できる速度を持っているからです。どの接続端子でも理論的にレイテンシーは変わりません。
波形のデータ量を計算してみよう
DTMで通信されるデジタル波形データのサイズを計算してみます。
こちらの記事で述べたように、デジタル波形データのデータ量は、サンプリングレートとビット深度によって決まります。
波形の横軸が1秒に音を録音する回数であるサンプリングレートです。単位のヘルツは1秒間の回数をしてしています。44.1kHzの場合は、毎秒44,100回も音を拾っていることになります。
波形の縦軸が音量の細かさを決めるビット深度になります。16bitというように表記されます。コンピュータのデータは全て0と1の組み合わせでできており、1bitというのは0か1を納める1つのマスを示します。マス(bit)が多い方が表現できる0と1の組み合わせパターンが多くなります。16bitの場合には、2の16乗のパターンの組み合わせができるため、ビット深度が16bitならば音量を2の16乗の細かさで表現できます。
つまり毎秒転送される波形データ量は、ビット深度を1秒間の録音回数(サンプリングレート)分足したものなります。
計算式にすると、毎秒の転送データ=ビット深度×1秒間の録音回数(サンプリングレート)となる。
録音の毎秒データ量
例えば24bit, 192kHzの超ハイレゾ録音の場合は、
毎秒の転送データ=24[bit]×192k[Hz(回数/s) ]=3608k[bps(bit/s) ]=3.6M[bps]
(bpsとは1秒間に何bitを送信するかの単位)
1秒間に3.6Mbitを転送していることになります。
この3.6Mbitは一つのオーディオに対してのデータ転送量です。複数のオーディオを同時に録音する場合は、3.6Mにオーディオ数をかけた値がオーディオインターフェイスで録音する際に転送されるデータ量になります。
再生(モニター)の毎秒データ量
また、音を再生(モニター)する際にもデータが転送されています。再生するときは、2ch(スピーカーの右と左)の出力であるため、24bit×192kHz×2ch=7.2M[bps]が転送されています。
全体の毎秒転送されるデータ量
仮に3つのオーディオを録音しながら、モニターをする場合に転送されているデータ量は、
録音データ量+再生データ量 =(3.6M×3)+(7.2M)=18M[bps]
となります。
USBの転送速度と比較
- USB2.0のデータ転送速度:480M[bps]
- USB3.0のデータ転送速度:5G[bps]
USB2.0の速度である480M[bps]は、先ほど計算した全体のデータ量である18M[bps]を余裕でカバーできる値なのがわかります。
仮に10このオーディオを同時に録音したとしても、(3.6M×10)+(7.2M)=43.2M[bps]
であり、USB2.0の480M[bps]で十分であることがわかります。
以上より、USB2.0でもDTMでは十分な転送速度であるため、オーディオインターフェイスの接続端子はUSB2.0でいいことがわかります。
オススメのオーディオインターフェイスを以下の記事にまとめてみました。
【ぼくのバンド紹介】shabones(しゃぼんず)
敏感でもろいロックバンドです。是非聴いてください〜(^^)